コート・マット紙 同人誌印刷 用語集
同人誌印刷 用語集「コート・マット紙」
紙の表面に塗料を塗布された紙で、表面がツルツルと光沢があるのがコート紙、
塗料がコート紙よりも少なく、ツヤのない紙がマット紙。
どちらも紙の表面に塗料が塗布されています。
コート紙は別名「塗工紙」、マット紙は別名「微塗工紙」と呼ばれます。
コート紙よりも塗布料が多いものをアート紙と呼びます。
この紙はどういう時に使うと良いかというと、カラーの印刷をする時。
上質紙にカラーを印刷するよりも、インクが紙の中に吸われず表面に残るため、
カラーの発色が良くなります。
上質紙にカラーを印刷すると、どうしても色が沈んで発色がよくありません。
コーシン出版のオールカラーセットも上のような理由で本文はコートかマット紙になっています。
オールカラー折り綴じ本セットもそうです。
写真集などもカラー印刷なのでコート紙かアート紙が使われていますね。
コート・マット紙の特徴としては
・水に弱い
紙はもともと水に弱いのですが、コート・マット紙は水に塗れると表面の塗料が溶けてしまいます。
そして乾くと塗料が糊のような役目をして紙がくっついてしまいます。
試しにコート紙に水をたらして紙を重ねてみてください。
乾くとくっついて、無理にはがそうとするとビリビリと破れてしまいます。
塗布されていない上質紙は水に塗れて乾くとシワにはなりますが、紙同志がくっつくことはありません。
・重い
表面に塗られている塗料の分が重いのです。
同人誌即売会などのイベントに搬入するとき、コート紙を使ったオールカラー本は重い!
梱包や箱に入れる冊数をは小さくしないと重くて運べません。
・えんぴつで書けない
同人誌ではありませんが、一般印刷ではがきやチラシを印刷するとき、
なにかを記入する欄があるときはコート紙は使いません。
もし鉛筆を使われたらすべって書けないからです。
マット紙は書けるので大丈夫。
なのでカラー印刷で書く欄がある時はマット紙がおすすめです。
個人的にはマット紙に鉛筆で書く書き味は好きです。
丁度よく引っかかって書きやすい。
・印刷インクが乾きやすい
特にカラーなど4色のインクが重なった時など、上質紙はなかなか乾きません。
チラシなど断裁するときは印刷して次の日に切ります。
でないと裏写りしてしまうので。
コート・マット紙ならインクが乾きやすいので、その日のうちに断裁も可能です。
絵柄や季節にもよりますが。
上質紙に比べたらインクは乾きやすいです。
上のような特徴もあり、用途によって使い分けます。
コート・マット紙はカラー印刷に適していると書きましたが、
上質紙でもカラーを印刷することは多いです。
例えば
・写真集のようにカラーの品質が必要でないとき。
・コストを抑えたい時(上質紙よりもコート・マット紙のほうが高いです)
・重くしたくないとき。
上のような理由でなにかの案内やパンフレット、無料配布冊子などに使われたりします。